時の流れと共に私の中から、生活の心得についての記憶は消え去ろうとしていました。
そんな折り、小寺先輩から貴重な資料をお送りいただきました。
生活の心得の全文を掲載します。どの一つをとっても思い出深い内容です。
- 朝の礼儀は、出会い頭にこれをなすこと。これをなさば別に改まって正式にする必要 なし、但し正式になす必要がある場合は別にこれを行う。
- 朝夕神仏を礼拝し父母祖先および恩人に感謝すること。
- 食事の時も神に黙礼すること。
- 入浴の際は、身体をよく洗い、しかる後に温まるために浴槽に入ること、上がり湯を 占領し、他人に汚水をかけるなど、人に迷惑になることをせぬよう注意のこと。
- 便所において汚れを見出した時は必ず拭き取ること。たとえ自己の行為にあらずとも なすべきである。
- 部屋を訪問する時は、必ずノックして応答を待って入室のこと。
- 建具の開閉の如き一方を閉じ、一方すきまを生ずる如きことをせぬこと。
- 他人の部屋を伺い見たり、立ち聞きなどせぬこと。
- 他人の寝室の廊下など歩く時には、音のせぬようにすること。
- 他人が就寝中には紙をもみ低音私語の如き低音さえも気をつけて、睡眠をさまたげぬ こと。
- 他人との約束の如きには、いかなる小事をもこれを守ること。特に時間を厳守するこ と。
- 出所進退を明らかにすること。
- 他人の信書は直ちに本人に届けること。
- 手紙の返事は直ちにしたためること。延引の見込みがある時はその旨を知らすこと。
- 電話をかける時は現に対談するものの如く、心中にて前後の敬礼すること。
- お茶を出された時は冷たくならぬうちにいただく事。お菓子は協同にて出された時は 先輩から順次いただき、最初に手をつけぬ事。すべて必要以上の遠慮は礼を失し相手 を不愉快にすると思うべし。
- 会食の時は伝統、先輩が箸を取るまでは食事を始めるべからず。終了の際は上座の者 の退席を待って立つべし。但しすべて特別の場合はこの事にあらず。
- 先輩に対する言葉使いには方言、子供言葉を使用せず、標準語によること。第 一人称 と身内のものの呼称には注意の事。
- 随行の時は、先輩より一歩後ろに従う事、一人の場合は左後、二人の場合左右のあと につく事、また、かばん等を持つ事。
- 法律にて許された事といえども、健康、品性に害ある事は成さぬ事。即ち飲酒、喫煙、 賭博等。
- 禁止されている事は努めてこれを守る事。
- 上長の命令に対してはプロンプトなること。命令を即時着手。
- 黙秘の徳を守る事。
- 他人の金銭、物品については、その取り扱いに注意して常に安心を与える事。
- 自分の好を持って、他人に強いぬ事。
- 勤勉、忍耐、質素、倹約はいかなる時代にても信用と成功の素となる事を銘記する事
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